左ページから抽出された内容
16測定精度の検討ロードセルの定格容量の選定が終わりましたら、測定精度の検討に入ります。精度の算出には、一般的に次の式が用いられ、測定精度は総合誤差に零点と出力の温度影響を加味した値となります。ロードセルの仕様で「総合誤差」と言う表記ではなく、直線性誤差、ヒステリシス誤差、繰返し性誤差という表記がされていることがあります。この表記がされている場合は総合誤差の部分に下の式を当てはめて計算していきます。εC2ε2Lε2H()=+ε2R+εL:直線性誤差(%R.O.)εH:ヒステリシス誤差(%R.O.)εR:繰返し性誤差(%R.O.)εε:ロードセルの測定精度(%F.S)εC:総合誤差(%R.O)εZ:零点の温度影響(%R.O./℃)εS:出力の温度影響(%Load/℃)L:使用するロードセルの定格容量N:使用するロードセルの数W1:計測する最大の荷重t:ロードセルの温度の変化幅(℃)εC2εZεS()2)2(>×××++W1t×tLN総合誤差零点の温度影響出力の温度影響では実際に計算式を使用して精度を計算します。検討するはかりの構成や条件は、 使用するロードセル:LC4102-K010 はかりのひょう量 :10kg 使用温度:20±10℃ 零点の温度影響:計量時にインジケータの【ゼロ】キーを押すものとして温度変化は考慮しない事とする。ロードセルLC4102-K010の仕様から 以上を代入すると 0.0318% 1/3,000の精度のはかりであれば問題無いものが出来ます。1/3,000の精度のはかりであれば問題ないものができます。以上がロードセルの選定となります。紹介しました以下の3つのステップにより、適切なロードセルを選択して頂けます。STEP1 ロードセルの形状による選定 STEP2 選定するロードセルの定格容量の確認STEP3 選定したロードセルの測定精度の確認 ε()2)2(×××++×()<==εC:総合誤差(%)=0.015εZ:零点の温度影響(%R.O./℃)=0.004※1℃あたりの値にするεS:出力の温度影響(%Load/℃)=0.0014 ※1℃あたりの値にするL:使用するロードセルの定格容量=10N:使用するロードセルの数=1W1:計測する最大の荷重=10t:ロードセルの温度の変化幅(℃)=20 今回は[ゼロ]キーを押すことで零点の影響を考慮しないため「0」となります。以上を代入すると
右ページから抽出された内容
17使用するロードセルとインジケータの組み合わせで、希望する最小目盛りが表示できるかどうかは、次の計算により確認が可能です。➀ロードセルの定格容量A(kg)時の出力電圧X(mV) X(mV) = B(mV/V) × C(V)➁はかりとして使用したい最大ひょう量の時の出力電圧Y(mV) Y(mV) = D/A × X(mV)➂はかりの最小表示値に於けるロードセルの出力値 Z(μV) = E/D × Y(mV) × 1,000(※1,000倍は単位変換mV ⇒ μV)➃はかりの最小表示値の出力値とインジケータの入力感度の比較 F ≦ Z FよりZが大きければ表示は可能です。<事例>ロードセルLC1205-K500 と インジケータAD-4408Cの組み合わせ はかりの最大ひょう量150kgに対して最小表示値0.01kgが可能か検討する場合※ロードセルを3本使用する時は、Aを3倍してください。 また、はかりの最大ひょう量と最小表示値は任意に変えて計算してください。A=509.9kg B=2.0394mV/VC=5VD=150.00kgE=0.01kgF=0.15μV➀2.0394(mV/V) × 5(V) = 10.197(mV)➁150.00(kg)/509.9(kg) × 10.197(mV) ≒ 3(mV)➂0.01(kg)/150.00(kg) × 3(mV) × 1,000 = 0.2(μV)➃0.15(μV) ≦ 0.2(μV)故に0.01kgはインジケータの入力感度より大きいため表示可能です。ロードセル定格容量………“A”(t、kg、g)はかりの最大ひょう量………“D”(t、kg、g)ロードセル定格出力………“B”(mV/V)はかりの最小表示値…………“E”(t、kg、g)ロードセル印加電圧………“C”(V)インジケータの入力感度……“F”(μV)ロードセル出力とインジケータの入力感度本計算は最小目盛りがインジケータで表示可能かどうかを電気的な条件から判断するものです。実際に安定した表示が得られるかどうかは、ロードセルを取り付ける設備の構造、ロードセル取り付け方法等の機械的条件、あるいは設備環境、計測条件等にも左右されます。また、上記は精度を検討するものではありません。【ご注意】
お探しのページは「カタログビュー」でごらんいただけます。カタログビューではweb上でパラパラめくりながらカタログをごらんになれます。