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ガラス器具、使用上の注意■プリントについて理化学用ガラスをご購入の場合は、その使用目的に合わせてガラス器具の本質的機能・形状・特徴等を備えたものを選択する必要があります。理化学用ガラスは、素材面から見てJIS規格に定められている、耐水性=アルカリ溶出量などにより、JIS規格ほうけい酸ガラス-1、JIS規格ほうけい酸ガラス-2、ソーダ石灰ガラスに分類されています。わが国で一般に幅広く普及している理化学用ガラスは、DURANⓇ、HARIO-32、DUROBAXⓇ、PYREXⓇなどです。ガラスプリントには以下のような種類があります。①プリント(白色) 濃厚色な溶液に対しても明確です。②シルバーステイン(茶色) 色落ちが極めて少なく、耐光性・耐薬品性の染色です。③サンドブラスト(砂目) 染色とは違い、ガラス表面に微細な凹凸を付けた文字の消 えない手法です。(A)(B)(C)■材質マークについてガラス製品の材質は、下記のような材質マークで表記しています。カタログ品名の末尾や製品に Ⓡなどの材質マークを入れています。Ⓗ=ほうけい酸ガラス-1(DURANⓇ、HARIO、PYREXⓇなど)=ほうけい酸ガラス-1(HARIO)Ⓓ=ほうけい酸ガラス-2(DUROBAXⓇ)Ⓕ=ほうけい酸ガラス-2(硬質ガラス)Ⓝ=ソーダ石灰ガラス(並質ガラス)■ガラス器具を安全に使用するために当社の理化学用ガラス製品は化学的特性、耐熱性、透明性に優れた材質で製作していますが、反面機械的衝撃にはもろく壊れやすい性質があります。これらの取り扱いには十分注意しながら、切傷、火傷をなさらぬようお願いします。なお化学実験においてガラス器具をはじめ科学機器類を使用する場合は、必ず保護具(ゴーグル、プロテクター、手袋など)を用いてください。また、中でも意外と多いのが大きいビーカーなどを持ち運ぶ時の破損事故です。特に中身の入ったビーカーを持つときは、底部から支えるよう(C)にして慎重に持ってください。ビーカーのふちの部分(A)や胴の部分(B)をつかんで持ちあげたり、振ったりすると破損します。破損により内容液に触れて火傷したり、破断面で切傷を受けたりする恐れがありますので、ご注意ください。■加熱する場合a. 弱熱より徐々に加熱してください。直火で使用される場合も同じですが、局部加熱は避けてください。均一加熱を行うためには、セラミック金網等を使用してください。b. 沸点の低い物質や引火性物質を加熱する場合は、直火や電熱器の使用を避け、湯煎器(ウォーターバスやオイルバスなど)を使用してください。湯煎器の使用においても、安全には十分配慮してください。c. 加熱終了後、床や台の上に置く場合は安全面に配慮してください。濡れた布の上や冷たい物の中に入れる場合は、急激な温度変化によるショック(サーマルショック)で破損することがありますので十分注意してください。d. 加熱した容器をつかむ場合は、火傷防止のため必ず耐熱手袋や専用ハサミ(トング)などの器具を使用してください。e. 加熱中に容器の上から覗くのは避けてください。内容物が急にふき出す可能性があり大変危険です。■減圧で使用する場合a. 一般的に減圧用のガラス器具は、厚みのある製品で、減圧用デシケーター、吸引フラスコ、ろ過器等です。化学反応試験や減圧蒸留試験には、丸底フラスコ、なす形フラスコ、梨形フラスコ、ケルダールフラスコなどが用いられますが、使用する前には必ず「キズ」「歪み」「偏肉」などが無いことを確認してから使用してください。b. 平底フラスコや三角フラスコなど底が平らな物は、構造上の強度が弱いので危険です。減圧はしないでください。c. ロータリーエバポレーターを使用される場合には、プロテクトシールド(ガード保護具)をおすすめします。■加圧で使用する場合a. ほとんどの理化学用ガラスは、加圧で使用することはできません。b. 加圧での使用が可能な製品の場合は、「キズ」「歪み」「偏肉」などが絶対に無く、「形状」を考慮の上、微圧に限ります。(但し、実施条件に張力、その他物理的条件を加味し余裕のある限界を確認してから使用してください。また、万一に供えて被害を防ぐため、必ず防護スクリーンなどの安全対策を施してから、使用してください。)■滅菌する場合●オートクレーブ使用の場合a. ガラス器具に「キズ」「歪み」「偏肉」などがないことを確認してください。b. キャップは「外す」か、「乗せる程度」にしてください。2L以上の場合はキャップを「外して」ください。c. オートクレーブの金属面にガラスが直接触れないようにしてください。d. 取り出す際は常温に戻してから出してください。急激に温度を下げる(強制冷却)ことや急激に開放(強制排気)することは絶対に避けてください。e. できるだけ、ほうけい酸ガラス-1(DURANⓇ、HARIO、PYREXⓇ)で製作されたガラス製品をおすすめします。JISR3503 理化学用ガラス理化学用ガラスの等級は「線膨張係数」および「アルカリ溶出量」によって、次のように分けられています。ほうけい酸ガラス-1JR-135以下0.10以下31以下平均している正しく、かつ、きずがない使用目的を十分果す未溶解物および異物の混入がない。特殊なものを除き透明55以下0.20以下62以下95以下2.0以下620以下ほうけい酸ガラス-2JR-2ソーダ石灰ガラスJR-3線膨張係数アルカリ溶出量肉まわり形状および外観機能生地品質項目記号等級(×10-7/K)(mL/g)(μg/g)■理化学ガラスのJIS規格について38No.2900/2022-20231ガラス器具/体積計理化学用ガラスビーカー・フラスコセパラブル試験管・沈殿管びん培養容器体積計についてピペットメスシリンダー・メスフラスコビュレット分注器一覧ハンディピペット卓上型分注器粘度計ろ過器メンブレンフィルターデシケーター分液ロートカラム公定分析冷却器分留管トラップ受器連結管栓加工用ガラス実験用補助器具
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■すり合わせガラス器具を使用する場合a. すり合わせ部分は、ガラス表面を研磨していますので、強度としては弱くなっています。強い衝撃を与えないでください。b. すり合わせガラス器具を何個かつないで使用する場合は、専用クランプをすり合わせ部にセットしてください。c. すり合わせ部分が合わない場合は、径違いアダプターを使用してください。d. すり合わせ器具やガラスコック、ガラス栓などは、すり合わせ部分が固着し外れにくくなる場合があります。これを取り外す時は次の処理をおこなってください。 ①熱湯に浸し内側のガラスが熱くならないうちに、適度な引っ張り加減で回してください。または、木槌で軽くたたいてください。 ②溶液を使用される時は、浸透性の強い界面活性剤の薄い水溶液を、すり合わせ部分の縁にかけてから暫く待ち、布等をあててつかみ、適度な力で回しながら引っぱり加減で外してください。■有機溶剤を使用する場合有機溶剤を使用される場合は、必ず適切な排気装置が付いた部屋でご使用ください。■洗浄する場合a. 新しく購入されたガラス器具は、必ず洗浄してから使用してください。b. 実験に使用したガラス器具は、一般の洗浄程度では残留物が付着している場合があります。 特にすり合わせ部分には付着する場合があり、次の分析に支障をきたすことがあります。 その場合は、希硝酸液を用いて、超音波洗浄器等で洗浄してください。c. 超音波洗浄器を用いて洗浄される場合 ①ガラスに「キズ」や「ヒビ割れ」があるものを超音波洗浄器にかけると破損します。 ②超音波洗浄器によっては、洗浄槽に直接入れないで“洗浄用かご”や“すのこ”“間接容器(ビーカー)”を使用してください。 ③洗浄液は使用頻度に応じて適時交換してください。「キズ」や「汚れ」の原因になります。d. 洗浄液および付着物は、直接捨てられないものもありますので、廃水には十分ご注意ください。e. 洗浄剤を使用した場合は、「ゆすぎ」を十分に行ってください。その後は器具乾燥器などで乾燥後保管してください。f. 洗浄には中性洗剤をご使用ください。アルカリ洗剤はガラスの性質上、悪影響をおよぼします。(詳細は洗浄剤についてを参照)g. 洗浄剤はその目的に応じたものを使用してください。臨床分野では殺菌剤入りのものもあります。h. ガラスコックやガラス栓には必ず合紙をはさんで保管してください。i. 金属たわし・研磨剤入りスポンジ・クレンザーは使わないでください。ガラスの表面に傷をつけ器具の寿命を短くし、破損事故の要因になります。j. ひと通りの洗浄が終わったら最後に純水(イオン交換水、蒸留水、精製水)で仕上げの洗浄をしてください。■乾燥する場合・洗浄後のガラス器具は、原則として乾燥枠・棚で自然乾燥させてください。a. 急ぐ場合は電気定温乾燥器の中に入れることもありますが、この場合 乾燥器中の温度は50〜60℃くらいで行い、ガラス器具はできるだけ上部の棚におくようにします。ただし、すでに乾燥中のものに加えて新しく洗浄した器具を入れるときは、雫が落ちるのでその下の棚に置きます。※原則:本来は水切り後に乾燥器に入れてください。b. 高温にセットした乾燥器中にむやみに器具を入れると、乾燥中に破損することもあるので注意してください。c. ヘアドライヤーを使用してもよいですが、ジェットヒーター(強力なヘアドライヤー)は使用しないでください。d. 細い器具や曲がった細管の内部を手早く乾燥したい場合は、洗びんに入れたアルコールを細い管に通したあとアスピレーターで吸引して乾燥させてください。注意:水の逆流で思わぬ失敗をすることがありますので、必ずバッファータンクをつけて使用してください。また火気は厳禁です。■洗浄剤についてガラスは一般的に酸に強くアルカリに弱い性質があります。強アルカリの洗浄剤を使用すると表面が白濁したり白色マークが剥がれ落ちる可能性があります。一般的な洗浄剤として中性を用いることをおすすめします。また使用温度は洗浄剤に合わせて適温でご使用ください。◎おすすめ製品洗浄剤 シバタクリーンA(204ページをご参照ください)シバタクリーンAは中性で無リンのためガラス実験器具に限らず、金属、電子部品、プラスチックなど幅広い洗浄に適しています。標準では5%希釈の浸け置きで使用してください。超音波洗浄器にもお使いになれます。■その他の取り扱い注意a. クランプを使用してガラスを固定する場合は、クランプ部に直接熱をかけないでください。また過度の締め付けにも注意してください。b. 内容物が液体から固体、固体から液体などに変化をする場合、体積の変化により圧力が上昇してガラスが破損する場合があります。 用途に十分注意し、それぞれの状況にあった使用をしてください。c. ゴム管やゴム栓の取り付け、また外す際はかならずタオルや手袋などで手を保護してください。また無理に力を加えず、取り付ける際は、ゴム管の内部を水などでぬらし滑りやすくしてください。ゴム管などを外す際はナイフを用いて切り取ってください。■ガラス製品の寸法についてガラス製品の寸法について本カタログに記載されているガラス製品の寸法は、実際には±の許容範囲内で製作していますので、目安としてご利用ください。ガラス器具、使用上の注意39No.2900/2022-20231ガラス器具/体積計理化学用ガラスビーカー・フラスコセパラブル試験管・沈殿管びん培養容器体積計についてピペットメスシリンダー・メスフラスコビュレット分注器一覧ハンディピペット卓上型分注器粘度計ろ過器メンブレンフィルターデシケーター分液ロートカラム公定分析冷却器分留管トラップ受器連結管栓加工用ガラス実験用補助器具
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