SIBATA総合カタログ 2900号 18-19(20-21)

概要

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隔離空間全体からの漏えい確認のための石綿濃度の測定空気中の⽯綿濃度の測定は、施⼯事業者の⾃主的な取組として、⽯綿⾶散防⽌対策の効果を⾃ら点検し、その改善を図っていくという意味で有意義である。測定を⾏う場合には、作業場の隔離状況、集じん・排気装置の性能等を点検するとともに、施⼯区画内の⽯綿⾶散状況を把握するため、以下のような場所、及び時期において実施することが有効である。① セキュリティゾーンの⼊⼝及び施⼯区画の外周(除去作業中)② 作業場内(特に隔離シート撤去前)また、周辺環境への配慮の観点から、隣地との境界付近における環境濃度を測定することが望ましい。なお、測定⽅法については、作業環境測定基準(昭和51年労働省告⽰第46号)、JISK3850-1「空気中の繊維状粒⼦測定⽅法」、環境省のアスベストモニタリングマニュアル(第4.1版)(平成29年7⽉ 環境省 ⽔・⼤気環境局 ⼤気環境課)等を参照されたい。漏えい監視のほか、漏えいが⽣じたときは、直ちに漏えい箇所周辺を⽴ち⼊り禁⽌にする等、関係作業者及び第三者が⽯綿にばく露することを回避するため必要な緊急措置を講じる必要がある。このため、作業計画には漏えい時の必要な措置として、上記漏えい監視の⼿順のほか、緊急措置の内容を明記し、あらかじめ作業者に周知しておくこと。関係省庁や民間団体が示している石綿濃度の測定方法種類省働労生厚省境環(一財)日本建築センターJISK3850-1:2006アスベストモニタリングマニュアル(第4.1版)平成元年12月27日告示第93号作業環境測定法既存建築物の吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術指針・同解説2018空気中の繊維状粒子測定方法対象環境大気中の測定・発生源の周辺地域・バックグラウンド地域大気汚染防止法に基づく測定・アスベスト取扱い事業場の敷地境界労働安全衛生法に基づく測定・アスベスト取扱い作業場室内環境等低濃度レベルにおける測定空気中に浮遊している繊維状粒子を測定測定高さ、位置地上1.5~2.0m風向を考慮し2~4点敷地境界線の東西南北及び最大発じん源と思われる場所の近傍単位作業場所内の高さ50~150cmの位置(A測定、B測定)建築物内の高さ50~150cmの位置目的に応じて設定するフィルタ直径mm52、mm74mm74吸引速度・採取時間10L/分×240分連続3日間10L/分×240分1L/分×15分5L/分×120分1L/分×5分5L/分×120分10L/分×240分計数対象繊維長さ5μm以上、幅(直径)3μm未満で長さと幅の比(アスペクト比)が3:1以上顕微鏡位相差顕微鏡、電子顕微鏡位相差顕微鏡、生物顕微鏡(クリソタイルを対象)位相差顕微鏡位相差顕微鏡、走査電子顕微鏡基準―10本/L(石綿(クリソタイル)繊維数濃度)管理濃度0.15本/cm3(150本/L)(総繊維数濃度)周辺一般環境大気との比較―関連法規資料環境省厚生労働省 建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル18No.2900/2022-2023
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漏えい確認の頻度負圧隔離養生を行う際の隔離空間内からの漏えい確認は、作業開始前及び休憩時に行う。また、集じん・排気装置はフィルタの交換を行った際や装置を移動した際に隙間ができ、漏えいが起きる可能性があるため、それらの際にも漏えいがないことの確認を行う。(表4.14.1参照)これらの確認の結果は、記録し、作業完了後も保存しておく必要がある。表4.14.1漏えい確認の頻度漏えい確認確認の時期備 考隔離空間内からの漏えいがないことの確認(負圧の確認)作業日の作業開始前除去等作業を行う日は、毎日作業開始前に確認する。作業中休憩時定期的に確認するとともに、作業を中断して作業者がセキュリティゾーンから退出した時点で確認する。異常時異常に対する原因確認、対策をした後も確認を行う。集じん・排気装置からの漏えいがないことの確認※初日作業開始前除去等作業を行う初日の作業開始前に、全ての集じん・排気装置が適切に稼働することを確認する。作業中各作業日の作業開始直後除去等作業を行う日は、毎日作業開始直後に稼働している全ての集じん・排気装置出口で確認を行う。集じん・排気装置の移動時集じん・排気装置を移動させた際や集じん・排気装置に接触する等して衝撃を与えた際に、その集じん・排気装置出口で確認を行う。集じん・排気装置のフィルタを交換した直後集じん・排気装置のフィルタ(一次又は二次フィルタ)を交換した際に、その集じん・排気装置出口で確認を行う。一次フィルタは3~4回/日程度、二次フィルタは1回/日程度交換する。異常時異常に対する原因確認、対策をした後も確認を行う。※表の点検頻度に係らず、作業中の漏えい確認は、石綿除去作業開始から作業終了までの間、漏えい確認用の機器を設置しておき、連続的に測定することが望ましい。建材中の石綿含有分析石綿障害予防規則(石綿則)では、建築物の解体・破砕等の作業を行うときは、石綿等による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、石綿等の使用の有無を目視、設計図書等により調査することが規定されています。また、書面調査、現地調査を行ったにもかかわらず、石綿の含有が明らかとならなかったときは当該建材試料を採取し、分析を行うことが規定されています。建材中のアスベスト含有率測定方法は厚生労働省より『石綿則に基づく事前調査のアスベスト分析マニュアル』が公表されており、JISA1481-1による実体および偏光顕微鏡を用いての「定性分析方法1」、JISA1481-2によるX線および位相差分散顕微鏡を用いての「定性分析方法2」、JISA1481-3によるX線回折装置を用いての「定量分析方法1」、JISA1481-4による偏光顕微鏡または電子顕微鏡を用いての「定量分析方法2」等が記載されています。定性分析方法1定性分析方法2試料の採取試料の採取肉眼および実体顕微鏡による予備観察分析試料の前処理(研磨・加熱・粉砕)分析試料の調整一次試料の調整実体顕微鏡による予備観察二次試料の調整繊維検出繊維検出なしX線回折装置による定性分析位相差・分散顕微鏡による定性分析偏光顕微鏡用標本作成および観察不検出確定の手順判定基準によるアスベスト含有有無の判定アスベストが存在アスベスト<0.1%X線回折分析法による定量試験(定量分析方法1)アスベストの質量分率の推定関連法規資料環境省厚生労働省 建築物等の解体等に係る石綿ばく露防止及び石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル負圧隔離養生作業場内の石綿粉じんが飛散するおそれがないことの確認負圧隔離養生した作業場内では、作業に伴い多量の石綿粉じんが発生している可能性があるため、負圧隔離養生を解く前にこれらが十分に作業場内の空気中から取り除かれ、負圧隔離養生を解いた際には場内の石綿粉じんが一般大気中への飛散のおそれがないことを確認する必要がある。一般大気中への飛散のおそれがないことの確認は、集じん・排気装置の稼働及び清掃等により負圧隔離養生内の石綿粉じんの処理を行った後、総繊維数濃度の測定を行い、外部の一般環境と同程度の総繊維数濃度になっていることを確認することにより行う。負圧隔離養生作業場内の石綿粉じんが飛散するおそれがないことの確認は、石綿含有建材を除去した下地や骨材に粉じん飛散防止処理剤を散布した後、場内の清掃を行った上で集じん・排気装置を90分以上稼働し、総繊維数濃度が十分低下したと考えられる時点で実施する。総繊維数濃度の測定は、基本的に集じん・排気装置を稼働させた状態で、集じん・排気装置の吸入口付近において位相差顕微鏡法(PCM法)により行うが、繊維状粒子自動計測器による計測を活用することも可能である。19No.2900/2022-2023

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