Falcon 細胞培養&細胞生物学製品 総合カタログ 94-95(96-97)

概要

  1. 細胞外基質(Extracellular Matrices)
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94CorningLifeScienceswww.corning.com/jp/lifesciences基本情報由来マトリゲル基底膜マトリックスは、Engelbreth-Holm-Swarm(EHS)マウス肉腫から抽出した細胞外マトリックスタンパク質に富む可溶性基底膜調製品です。主成分は、ラミニン、コラーゲンIV、エンタクチン、およびへパラン硫酸プロテオグリカン1で、TGF-β、線維芽細胞増殖因子、組織プラスミノーゲン活性化因子2など、EHS腫瘍が産生する増殖因子も含まれます。マトリゲル基底膜マトリックスは、温度を上げるとゲル化して哺乳類の細胞基底膜と似た生物活性のあるマトリックスとなります。溶かし方ゲル調製の前に、一晩かけて氷上でマトリゲル基底膜マトリックスを解凍してください。使用時まで氷上で冷やしておいてください。ゲル調製にはあらかじめ冷やしたピペット、プレート、チューブを使用してください。マトリゲル基底膜マトリックスは8∼10℃でゲル化が一部始まり、22∼25℃にすると速やかにゲル化します。(注意:ゲルは4℃で数時間保存すると液化する可能性があります)高濃度マトリゲル基底膜マトリックスは更にゲル化しやすい性状を持っていますので取扱いにはご注意ください。保存上の注意毎回少量しかマトリゲル基底膜マトリックスを使用しない場合、初回の解凍時に小分けにして、-20℃∼-80℃で保存することができます。同じサンプルの凍結融解は何度も繰り返さないでください。なお、マトリゲル基底膜マトリックスにはプロテアーゼが含まれていますので、長期間保存でタンパク質の分解がみられることがあります。ご注意ください。マトリゲル基底膜マトリックスに関する情報は、弊社WEBサイトにも記載しています。コーティング方法マトリゲル基底膜マトリックスにはいくつかのコーティング方法があります。ThinGel法は、ゲルの上に細胞を播種するときに使用し、ThickGel法は3次元マトリックス中で細胞を培養するとき、薄層コーティング(ゲルではない)は複合タンパク質の層上で、細胞を培養するときに用います。目的のアプリケーションに合わせて選択してください。留意:マトリゲル基底膜マトリックスを希釈して用いる場合、ゲル化させるためには、3mg/mL以下には希釈しないで下さい。また、希釈には無血清培地を用い、ゲル化した後は直ちに使用してください。ThinGel法1)マトリゲル基底膜マトリックスを2∼8℃の冷蔵庫、もしくは低温室内で氷上に静置し、一晩かけてゆっくり解凍します。冷やしたピペットを用いてマトリゲル基底膜マトリックスが均一になるよう混合してください。2)コーティングしたいディッシュやプレートを氷上に置いたまま、培養表面の面積1cm2当たり50µLを分注します。3)37℃で30分ゲル化させます。すぐに使用できます。ThickGel法1)マトリゲル基底膜マトリックスを2∼8℃の冷蔵庫、もしくは低温室内で氷上に静置し、一晩かけてゆっくり解凍します。冷やしたピペットを用いてマトリゲル基底膜マトリックスが均一になるよう混合してください。2)コーティングしたいディッシュやプレートを氷上に置きます。マトリゲル基底膜マトリックスに細胞を加え、冷やしたピペットで混合します。培養表面の面積1cm2当たり150∼200µLを分注します。3)37℃で30分ゲル化させたあと、培地を加えることができます。細胞はゲルの上に添加することもできます。薄層コーティング法(ThinCoating法)1)マトリゲル基底膜マトリックスを2∼8℃の冷蔵庫、もしくは低温室内で氷上に静置し、一晩かけてゆっくり解凍します。冷やしたピペットを用いてマトリゲル基底膜マトリックスが均一になるよう混合してください。2)無血清培地でマトリゲル基底膜マトリックスを希釈します。アプリケーションに応じて適切な希釈濃度を調べるために、予備実験をする必要がある場合もあります。3)希釈したマトリゲル基底膜マトリックスをコートするディッシュやプレートに加えます。培養表面を覆うのに十分な量を添加してください。室温で1時間インキュべートします。4)コート溶液をアスピレートし、無血清培地で穏やかにリンスします。プレートはすぐに使用することができます。細胞外基質
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95CorningLifeScienceswww.corning.com/jp/lifesciencesCorning®Matrigel®Matrixからの細胞回収方法ディスパーゼ/セルリカバリーソリューションによるマトリゲル基底膜マトリックスからの細胞回収ディスパーゼはBacillus属由来の中性メタロプロテアーゼであり、トリプシンやコラゲナーゼより穏やかに、かつ効率的に細胞を単離することができます。ディスパーゼは、コラーゲンIVやフィブロネクチンと少量のコラーゲンIを分解しますが、コラーゲンVとラミニンは分解しません。セルリカバリーソリューションはカルシウムキレート剤であり、細胞に与えるダメージを少なくしたまま、2∼8℃にてマトリゲルを脱重合させることができます。ディスパーゼ使用方法1)37℃のウォーターバスで解凍し、平衡化します。2)マトリゲル基底膜マトリックス上で培養した細胞の培地を除きます。3)無菌下で1cm2あたり10ユニット(0.2mL)の酵素を加えます。つまり、35mmディッシュには2mL、60mmディッシュには6mL、100mmディッシュには16mL加えます。4)37℃で2時間インキュべートし、完全にマトリゲル基底膜マトリックスを分解させます。5)ゲルと細胞の混合物を懸濁し、遠心チューブに回収します。6)溶液の希釈あるいは5∼10mMのEDTAを使用してCa2+およびMg2+をキレートすることにより、ディスパーゼの反応を停止させます。7)低速遠心により細胞を回収し、洗浄操作を繰り返します。8)細胞を新しい培地に入れ培養を続けたり、解析に使用することができます。セルリカバリーソリューション使用方法1)培地を除き、マトリゲル上の細胞層を冷やしたPBSで3回洗います。2)35mmディッシュに対して2mLのセルリカバリーソリューションを添加します。(面積によって添加量を変えてください。)3)細胞とゲルをディッシュからかき取り、氷上に置いたコニカルチューブに混合物を入れます。4)2∼4mLのセルリカバリーソリューションでディッシュを再度リンスして、その溶液をチューブに移します。5)チューブを何回か逆さまにして混和した後、マトリゲル基底膜マトリックスが完全に分解するまで1時間氷上に静置します。反応を早めるためには、チューブを振って下さい。氷上で30分ぐらい経過すると、細胞はチューブの底に集まってきます。これはゲルが分解していることを示しています。チューブ中のゲルをピペッティングしないでください。細胞に傷害を与える可能性があります。6)細胞が完全にゲルから離れた後、2∼8℃、500∼800rpmで5分間遠心します。7)沈殿した細胞を氷冷したPBSに静かに懸濁し、2∼8℃で遠心、という洗浄操作を2回繰り返します。標準的な方法に従ってRNAや核タンパク質などを抽出したり、無菌条件が保たれていれば、細胞は再度別の細胞外基質上に播種することができます。細胞外基質

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